2025/07/18 18:29

近年、「サステナブル」や「ヴィーガン」といった言葉がファッション業界でも注目を集めています。
「サステナブルレザー=環境にやさしい」と信じて選ばれている方も多いかもしれません。
しかし、「サステナブルレザー」や「ヴィーガンレザー」の正体は、ポリウレタン(PU)や塩化ビニル(PVC)などの石油由来の合成樹脂。
実際には、プラスチック素材であるケースが多く見られます。


植物を一部に使用したサステナブルレザー

「リンゴ」「とうもろこし」「サボテン」「きのこ」などの植物を一部に使用し、まるで自然素材で作られているかのような印象を与える製品も増えてきました。
しかしその多くは、植物由来成分はごくわずかで、ベースはPUやPVCといった石油化学素材であることがほとんどです。

石油由来の素材はダイオキシンを排出
こうした素材は見た目は革に似せてあっても、耐久性が低く劣化やひび割れを起こしやすいため、短期間での買い替え=使い捨てが前提となってしまうケースも少なくありません。
また、製造過程では有害な化学薬品が使用され、焼却時にはダイオキシンなどの有害物質を排出する可能性もあります。
環境にやさしいとされる素材の中には、石油由来の成分がベースとなっているものも多く、長期的な使用に向かないこともあります。

その点、天然皮革は自然由来の素材であり、適切な手入れをすれば何年、何十年と使い続けられる、持続可能性の高い素材です。
天然皮革は合成樹脂とは違い、最終的には土に還る性質を持つため、廃棄時の環境負荷も比較的少ないとされています。
さらに、植物タンニンでなめされた革は、有害な化学物質を使わない伝統的な製法によって作られ、焼却時にもダイオキシンなどの有害物質を排出しません。
そのため、本当の意味での「環境にやさしい素材」として、いま改めて注目されているのです。